臨床神経学

短報

異なる臨床型を呈したdysferlinopathyの姉妹例

千葉 陽一1), 新出 明代1), 幸原 伸夫1)2), 秋口 一郎1)3), 中野 智4), 林 由起子5), 柴崎 浩1)

1)京都大学医学研究科脳病態生理学講座・臨床神経学 〔〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54〕
2)現・神戸市立中央市民病院神経内科
3)現・康生会武田病院神経脳血管センター
4)関西医科大学神経内科
5)国立精神・神経センター神経研究所

異なる臨床型を呈したdysferlinopathyの姉妹例を報告した.姉は三好型ミオパチーの病型を呈したが,妹は肢帯型筋ジストロフィー2Bの臨床型を示した.姉妹とも免疫組織化学的に筋にdysferlinの欠損が証明された.Dysferlin異常が確認された同胞例で異なる表現型を示した報告は本邦ではこれまでになく,dysferlinopathyの臨床型の多様性を考える上で重要な症例である.

(臨床神経, 43:188−191, 2003)
key words:dysferlinopathy, 三好型ミオパチー(MM), 肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B), 臨床型の多様性, 免疫組織化学

(受付日:2002年11月7日)