臨床神経学

症例報告

Hemicrania continuaの1例:本邦第1例

石崎 公郁子, 竹島 多賀夫, 井尻 珠美, 福原 葉子, 中島 健二

鳥取大学医学部脳神経内科〔〒683-8504 米子市西町36-1〕

難治性頭痛症のひとつとして最近注目されているHemicrania continua(HC)の1例を報告した.症例は47歳女性.疲労を契機に左半側に限局したびりびりする痛みおよび頭重感をみとめるようになった.頭痛の程度が1日の中でも変動し,日に数回は中等度以上の強い頭痛となり,流涙をともなった.エルゴタミン製剤や他の非ステロイド性消炎鎮痛剤は無効であったが,インドメタシン投与によりすみやかに頭痛が消失した.われわれが検索した範囲では本邦でこれまでHCの報告がなく,本邦第1例と考えられるが,欧米では診断されていないだけで決してまれな頭痛ではないとされており,本邦でも今後診断に留意する必要がある.

(臨床神経, 42:754−756, 2002)
key words:頭痛, hemicrania continua, HC, インドメタシン, 慢性連日性頭痛

(受付日:2002年5月22日)